夏になると、毎年のように「どこか涼しい場所に行きたい!」と思いませんか?
クーラーの効いた部屋にこもるのもいいけれど、せっかくなら自然の中でのんびりしたり、美味しい空気を吸ったりしたいですよね。
そんなときにぴったりなのが「避暑地」です。
山の上のリゾート地や、川のせせらぎが心地いい高原など、日本には暑さを忘れられるスポットがたくさんあるんです。
今回は、そんな日本各地の代表的な避暑地と、それぞれの楽しみ方をご紹介します。
夏の旅行先に迷ってる人、ぜひ参考にしてみてください。
避暑地とは?本当に涼しい?

「避暑地」とは、夏の暑さを避けて涼しく過ごすために人々が訪れる場所のことを言います。
特に、気温が高くなりがちな都市部から離れて、自然が多く涼しい地域が選ばれることが多いです。
以下で、避暑地が涼しい理由と特徴を解説していきましょう。
避暑地が涼しい理由

・標高の高さと湿度の低さ
・自然の冷却効果や風の通りやすい地形
・ヒートアイランド現象の少なさ
【①標高の高さと湿度の低さ】
・標高の高さ
避暑地が涼しいのには、まず第一に「標高の高さ」が関係しています。
一般的に避暑地と言われる場所は、標高の高い位置にあります。
標高が高い場所ほど気温は低くなり、これは「気温の逓減率(ていげんりつ)」という現象によるものです。
標高は100m上がるごとに気温が約0.6℃下がると言われているため、標高1,000mの高原ではその麓よりも単純に6℃低くなるということになります。
具体例を出すと、標高約1,000mにある軽井沢は、東京よりも5~7℃ほど気温が低い日が多いです。
・湿度の低さ
そして、避暑地が涼しいのには、気温だけでなく「湿度の低さ」も理由の一つと言えます。
湿度が高い環境だと、汗をかきにくく体内に熱がこもってしまいがちです。
しかし避暑地は、気温が低いためその分空気に含まれる水蒸気量が少なく、カラッとした空気になります。
また、空気が上に行くまでに冷やされて水分が抜けてしまうため、高原に着く頃には乾いた空気になっているということです。
そのため、平地よりもひんやりした空気を感じることが多いのです。
【②自然の冷却効果や風の通りやすい地形】
森林や湖が多い場所では、自然そのものが冷却の役割を果たします。
たとえば木々は、日光を遮って地面の温度上昇を防ぎ、葉からの「蒸散(じょうさん)」で周囲の空気を冷やします。
また、湖や川などの水辺は、日中の気温の上昇をやわらげ、周囲の空気を涼しく保ってくれるのです。
そのため、森や水辺は「自然のクーラー」と呼ばれることもあります。
避暑地の地形からしても、谷や川沿いなどは風の通り道となるため、日中は涼しく夜は少しひんやりと感じられることが多いのです。
【③ヒートアイランド現象の少なさ】
都市部ではアスファルトやコンクリートの照り返し、エアコンの排熱などで気温が上がりやすくなります。
これを「ヒートアイランド現象」といいます。
一方避暑地は、自然が多く建物も多くないため、コンクリートや車などの人工熱源が少ないのです。
そのため、気温が上がりにくく、夜も涼しく過ごせることが多いのです。
避暑地の特徴

①気温が低い
山間部や高原、湖の近くなど標高が高くて風通しの良い場所が多いのが特徴です。夏でも外の空気を吸いたい方、ちょっとした旅行をしたい方などには、もってこいの場所です。
②自然が豊か
森林、湖、川、緑がとても多く、空気も澄んでいて綺麗です。また、鳥の声や川のせせらぎ、風の音など、自然の音も楽しめるような環境になっています。
③観光地としても満足できる
別荘地やリゾート施設が多く、人気の観光スポットや温泉施設も充実しています。グルメやカフェ、アートを楽しめる施設が多いのも避暑地の魅力です。
避暑地でのおすすめの過ごし方

避暑地では、その土地ならではの自然や涼しさを活かした過ごし方があります。
ここでは、おすすめの過ごし方をジャンル別でご紹介しますね。
・ハイキング、トレッキング
・湖畔でボート、川遊び
・地元のグルメ、カフェ巡り
・美術館や工芸体験
・自然を感じながら読書や昼寝
・ピクニック
・温泉でゆったり
自然を楽しみながらアクティブに過ごす

【ハイキング、トレッキング】
高原や山道で、澄んだ空気や風、鳥の声などを感じながら歩くのはとても気持ちが良いものです。木陰が多いので、日差しが強い日でも問題なく快適に過ごせます。
【湖畔でボート、川遊び】
水辺はさらに体感温度が低く、夏にはピッタリの過ごし方!身近にはないボートに挑戦したり、川遊びを楽しんだりして、マイナスイオンを感じながらクールダウンをしてみましょう。
地元の食事や文化を満喫して過ごす

【グルメ、カフェ巡り】
避暑地にも、地元の美味しいグルメや映えるカフェ、雰囲気のあるカフェが揃っています。その土地ならではの高原牛乳やフルーツを使った食事も大人気です。ぜひ味わってみてくださいね。
【美術館や工芸体験】
自然の中にも美術館やギャラリーがあり、静かに鑑賞に訪れる方も多くいます。工芸やガラス細工などで有名な場所も多く、体験もできますので、せっかくの機会にぜひ楽しんでみてはいかがでしょう?
のんびり・リラックスして過ごす

【自然を感じながら読書や昼寝】
木陰や宿のテラスなどで、日々の喧騒を忘れ、静かに過ごす時間も贅沢です。読書や昼寝、瞑想などでデジタルデトックスをしながら、ゆったりとした時間を感じるのも魅力的ですよ。
【ピクニック】
お弁当を用意して、木陰でランチも楽しいです。自然の中で食べるご飯は別格!地元のカフェやパン屋さんなどでテイクアウトをしても良いですね。
【温泉でゆったり】
避暑地には有名な温泉施設も多いです。夏はシャワーで済ませてしまい、ゆっくりと湯船につかるという方は少ないのではないでしょうか?本来は、夏でも湯船につかることで、疲労回復や夏バテ防止につながるのです。この機会に、温泉にゆったり浸かり、日々の疲れを癒してみるのもおすすめですよ。
日本の代表的な避暑地スポット10選|北海道・東北・関東・中部

富良野(北海道)

北海道のほぼ中心に位置する富良野は、夏の北海道旅行では真っ先に候補地に入るスポットで、目を惹く美しい自然が大人気な場所です。
特に富良野といえばラベンダー畑。
初夏に咲き誇るラベンダーをはじめ、色とりどりの花が植えられた鮮やかな絨毯のような風景は、見る者を圧倒します。
他にもラベンダーソフト、北海道の乳製品を存分に使用したご当地グルメや、カヌー、ラフティングなどのアクティビティも魅力的です。
【富良野のおすすめスポット】
・ラベンダー畑(ファーム富田など)
・富良野チーズ工房
・十勝岳温泉
・白ひげの滝
・青い池
・四季彩の丘
・ニングルテラス
・フラノマルシェ
・道の駅南ふらの
十和田湖(青森)

十和田湖は、青森県の十和田八幡平国立公園内に位置する湖です。
透き通るような青々とした湖と、それを囲む自然の織り成す景色は、息を吞むほどの絶景。
十和田湖のシンボルである乙女の像は、像は裸で乙女が向かい合っており、“同じものが向かい合い見合うなかで深まっていくもの“や“無限”が表現されているそうです。
神秘的な空気とマイナスイオンを感じながら、心地よく過ごすことができますよ◎
【十和田湖周辺のおすすめスポット】
・乙女の像
・十和田市現代美術館
那須高原(栃木)

大自然が広がる那須高原は、標高300~1,200mとなっており、首都圏からはアクセスがしやすく日帰りも可能です。
滝と吊り橋が多く、自然が好きな方にはピッタリの場所!
滝から出るマイナスイオンや、吊り橋からの絶景を、全身で体験でき疲れが癒されます。
ハイキングやキャンプなどのアウトドアはもちろん、温泉も有名なため、リラックス目的でゆっくりと羽を伸ばしたい方にはおすすめです。
【那須高原のおすすめスポット】
・乙女の滝
・駒止の滝
・弁天吊橋
・もみじ谷大吊橋
・那須ステンドグラス美術館
・那須テディベアミュージアム
・那須とりっくあーとぴあ
・那須ハイランドパーク
奥日光(栃木)

奥日光は、夏でも最高気温が23℃前後と過ごしやすく、関東の中でもおすすめの避暑地スポットです。
有名なのは、日本三大瀑布である「華厳の滝」。
中禅寺湖から流れる水が、97mの落差で落下する景観は壮大です。
また、華厳の滝のもととなる中禅寺湖は日本百景に選定されているだけあって、散策や遊覧船を通して自然の魅力を満喫できます。
一息つきたい時には、日光天然氷を使ったふわふわ&自家製こだわりシロップのかき氷で、ほてった身体をクールダウンさせましょう!
【日光のおすすめスポット】
・華厳の滝
・中禅寺湖
・日光東照宮
・奥日光湯元温泉
・鬼怒川温泉
・いろは坂
箱根(神奈川)

日本でも有数の温泉地であり、年間を通して多くの観光客が訪れる箱根は、夏も例外ではありません。
標高が高い場所も多く、避暑地として観光に選ぶ方も多くいます。
有名な観光スポットがたくさんあり、一日では回り切れないほど魅力で溢れていますよ。
日中は自然や観光スポットを巡り、夕方からは温泉で癒されましょう!
美術館もたくさん有しているため、アートや芸術が好きな方は美術館巡りをしてみても良いですね。
【箱根のおすすめスポット】
・大涌谷
・芦ノ湖
・箱根ガラスの森美術館
・彫刻の森美術館
・ポーラ美術館
・箱根ロープウェイ
・箱根小涌園ユネッサン
河口湖(山梨)

富士山の麓に位置する五湖の中の一つである河口湖は、晴れた日に見える「逆さ富士」が見事なまでの絶景!
夏も過ごしやすく、アクティビティや観光スポットも充実していて、富士山を眺めながらのキャンプや散歩、ショッピングなどは、同時に爽やかな風も感じられてリフレッシュできます。
富士風穴や鳴沢氷穴は、とても神秘的かつ夏でも冬のような温度で、まるで異世界に来たような感覚になります。
また、毎年8月に開催されるさまざまな祭りでは、河口湖上に壮大な花火が打ち上がることで有名です。
ぜひ、河口湖ならではの華やかなコラボレーションをご覧ください。
【河口湖のおすすめスポット】
・大石公園
・富士風穴
・鳴沢氷穴
清里高原(山梨)

標高1,200mを超える清里高原は、大自然や絶景が魅力の高原リゾートです。
四方を山々に囲まれ、富士山や八ヶ岳、南アルプス、秩父連峰まで眺められることからも、避暑地としての人気が高く、都会の喧騒を離れてリフレッシュできます。
特に定番のスポットは清里テラス。
標高1,900mを登った先で出迎えてくれるのは、木製ソファやフリーソファ、ベッド型ソファが点在する開放的なデッキです。
八ヶ岳や南アルプス、そして甲府盆地の先に見える富士山に包まれながらスイーツやドリンクを楽しめ、まさに雲の上のような空間が魅力的となっています。
【清里高原周辺(北杜市)のおすすめスポット】
・清里テラス
・まきば公園
・吐竜の滝
・萌木の村
・ハイジの村
軽井沢(長野)

軽井沢は「避暑地」や「別荘」の代表と言っても良いくらい、誰もが知る有名観光地です。
標高1,000mに位置し、緑豊かな涼スポットであり、散策やアウトドアを楽しめ、四季折々の景色も見られるのが魅力的◎
それだけではなく、ショッピングスポットやおしゃれな街並み、文化や芸術体験など数々の幅広い体験ができるのが、多くの人が訪れる理由です。
アウトレットや地元の新鮮な食材を使ったレストラン、お土産なども人気で、一日中飽きずに楽しめるため、老若男女問わず満足度の高い場所となっています。
【軽井沢のおすすめスポット】
・ハルニレテラス
・軽井沢プリンスショッピングプラザ
・旧軽井沢銀座通り
・軽井沢高原教会
・白糸の滝
・ムーゼの森
上高地(長野)

標高1,500mにある上高地は、日本屈指の山岳景勝地として知られています。
雄大な自然と美しい川の魅力はもちろん、車(マイカー)の乗り入れが制限されているため?、静けさと空気の清浄さが段違い!
まさに”日本のアルプスの玄関口”と呼ばれる避暑地です。
ハイキングや登山を中心に楽しみたい方、自然を存分に味わいたいという方にはもってこいのスポットとなっています。
【上高地のおすすめスポット】
・河童橋
・大正池
・田代池、田代湿原
・明神池
・ウェストン碑
白馬(長野)

白馬は、長野県の北西部に位置する自然豊かな山岳リゾート地で、四季を通じて多彩なアクティビティが楽しめる人気の観光地です。
子どもや初心者でも気軽にハイキングができる、八方尾根自然研究路というコースは、神秘の池と呼ばれる「八方池」に行くことができます。
自然の地形が生んだ、奇跡のような天然池。
天気が良ければ、池の水面に映る白馬連峰の山並みを眺めることができますよ。
他にも、絶景を眺められるSNS映えスポットで溢れていますので、自然が大好きな方はぜひ足を運んでみてください。
【白馬のおすすめスポット】
・八方池
・大出の吊橋
・白馬岩岳マウンテンリゾート
・うさぎ平テラス
・八方の湯
・みみずくの湯
まとめ|日本の避暑地でのんびりリフレッシュしよう!
避暑地についてと、日本の定番避暑地スポットについてご紹介しました。
いかがでしたか?
都会の喧騒から離れ、心と体をリセットできる日本の避暑地では、高原リゾートでアクティブに過ごすもよし、温泉やグルメをゆっくり味わうのもよし。
涼しさだけでなく、その土地ならではの魅力に触れられるのも、避暑地ならではの楽しみです。
今年の夏は、あなたにぴったりの涼しい旅先を見つけて、特別なひとときを過ごしてみませんか?