世界三大料理とは?誰が決めたの?

世界三大料理とは、中華料理・フランス料理・トルコ料理のことを言います。
世界三大料理を、いつ誰が決めたのかは実ははっきりとしておらず、一説によるとかなり昔に欧州の料理研究家たちが決めたとのことです。
ただ、三大料理にふさわしい共通点は明確にあり、以下のことが判断材料となりました。
①中国・フランス・トルコの王国(宮廷)料理が発展していた
②国土が広く食材が豊富であった
③貿易が盛んで他国からも食材を調達しやすく、反対に他国への影響力が大きかった
④食事に関する関心が高い
⑤王朝や帝国の長い歴史がある
⑥味の良さや盛り付け
このように、世界三大料理に選ばれている中華料理・フランス料理・トルコ料理は、食に対する興味関心が高く、豊富な食材を上手に活かした料理を振る舞っていることが分かりますね。
それが王家からも評価され、次第に他国へ発展・影響していきました。
しかし近年は、この中華料理・フランス料理・トルコ料理という世界三大料理は、現代人の味覚や価値観と異なるとも言われており、“新・世界三大料理“を決めようという試みもあるようです。
そしてその候補に、「日本料理」が挙がっているという話もあります。
世界三大料理|中華料理

世界中から親しまれている「中華料理」は、各国でも文化や味覚に合わせた発展を遂げてきました。
私たち日本人の日常にも欠かせない料理と言っても過言ではなく、世界三大料理に選ばれているのも納得です。
ここでは、中華料理の歴史や特徴を解説していきます。
中華料理の歴史と特徴

中華料理は、中国という広い国土面積が特徴であることから、各地方の気候や特産物、習慣の違いなどに合わせてそれぞれの食文化や料理が形成されていきました。
紀元前11世紀ごろの周王朝時代には、皇帝に「周の八珍」という8品の宴会料理が振る舞われていたようです。
これがきっかけとなり、それまで「焼く」と「煮る」だけだった調理法に、「蒸す」「漬ける」「乾燥させる」「炒める」「揚げる」といった工程が加わり、豪華な料理になっていきました。
中華料理といえば「強い火力で熱した熱い料理」ですが、この原点は南宋時代(1127~1297年)にあるようです。
もともと石炭を加工した骸炭(コークス)が磁器の政策に使用されており、それが調理器具に転用されるようになり、以降南宋時代から王朝時代にかけて炒め物が普及しました。
中華料理の主な食材と料理

中華料理では地域によって良く使われる食材は異なりますが、野菜や肉、魚介類など「食用」とされるものはほぼすべてが使われます。
“飛ぶものは飛行機以外、海のものは潜水艦以外、四足歩行の動物は椅子や机以外”
こう表現されるほど、何でも食べる文化で食材を大切にしている印象です。
中華料理は日本人もなじみ深く、麺類(担々麵・ワンタン麺など)、点心(餃子・焼売・小籠包・春巻き・中華まんなど)、麻婆豆腐、酢豚、回鍋肉、青椒肉絲、八宝菜…と挙げたらキリがありませんね。
ちなみに、チャーハン、おこわ、ちまき、天津飯、中華丼、冷やし中華などは、実は日本人の口に合わせ日本で普及した料理です。
ところで、日本では中華料理を、北京、四川、広東、上海の4つに分けますよね。
ただ、本場の中華料理は魯菜(山東料理)、川菜(四川料理)、粤菜(広東料理)など、「八大菜系」と呼ばれる8つの系統に分類されます。
分類ごとに特徴があり、例えば四川料理はスパイシーな料理が特徴で、麻婆豆腐や担々麵がその例です。
広東料理は季節の食材を活かした料理が魅力で、素材の味を大切に調理をします。
点心がその代表で、広東料理は中華料理の中でも特に人気がありますよ。
中華料理のマナー

中華料理を食べる際はお皿は手で持たず、米やスープ類は散蓮華(ちりれんげ)を、おかずは箸を使用します。
なお、スープや麺類はすすって音を出してはいけません。
広東料理の一つである、飲茶(やむちゃ)という点心を食べながら飲む中国茶は、つがれる際に指でテーブルをトントンと叩くことでお礼とします。
これは、お礼を口にすることで会話の腰を折ってしまうことを避けるためです。
また中華料理といえば、量が多くみんなでシェアして食べるイメージがありませんか?
量が多いのには、客人が食べきれないほど用意をすることが、最大限のおもてなしだという文化のためです。
そのため、中国本場のコースや家庭に出てくる中華料理は「残す」のがマナー。
全て食べきってしまうと、「足りなかったのか」となってしまいますので、本場の円卓で食べる際や中国人に食事を誘われた時には念頭に置いておきましょう。
その点中国では、残った料理をお持ち帰りできるお店も多いです。
世界三大料理|フランス料理

フランス料理と言えば、高級食材を使用した、結婚式に出てくるような趣向を凝らした料理というイメージでしょうか?
とにかく見た目が華やかで、パッと見てもどんな食材を使っていてどんな味なのか、想像がつかないものが多い印象です。
そんなフランス料理の歴史と特徴を解説します。
フランス料理の歴史と特徴

フランス料理は16世紀、アンリ2世に出されたのが始まりだとされています。
それまでのフランス料理は、野菜や肉をローストしてマスタードソース風味のソースで味付けする、というシンプルなものでした。
しかし、アンリ2世の妻(カトリーヌ・ド・メディシス)がイタリア出身だったことから宮廷にイタリア料理が取り入れられ、今の香辛料や調味料をたくさん使用した料理に発展していきました。
手づかみだった作法も、イタリアの料理文化の影響でナイフとフォークを用いるのが主流になっていったようです。
そして、味だけでなく見た目にこだわった芸術的な作品のような、今のフランス料理が生まれました。
特にソースにこだわっており、素材の味を活かした非常に洗練されているソースが、フランス料理の唯一無二と言えるでしょう。
フランス料理の主な食材と料理

フランスを代表する食材は、世界三大珍味のうちの2つであるトリュフとフォアグラ、それにエスカルゴ、肉(特に牛肉・羊肉・鴨肉)、エシャロットなどがあります。
また、コース料理に出てくるほどチーズが重宝されていたり、魚介類も好んで食べたりします。
有名な料理は、テリーヌ、ラタトゥイユ、コンフィ、ムール貝の白ワイン蒸し、キッシュ、ブイヤベース、ポトフ、ガレット…といったものです。
独特な料理が多いイメージのフランス料理ですが、ラタトゥイユやポトフなど日本の家庭で出てくるものもありますね。
フランス料理のマナー

フランス料理のコースは、前菜⇒スープ⇒メイン(魚料理・肉料理)⇒チーズ⇒デザート(⇒季節のフルーツや小さな焼き菓子)の順で出てきます。
フランス料理を楽しむには、マナーをしっかり心得ておくことが大切です。
フランス料理のテーブルマナーは、一般的にドレスコードが必要とされる高級レストランや、皇族の食事でイメージするようなものです。
ナイフやフォークが複数並んでいる場合は外側から使い、皿へ置く場合は八の字にします。
そして食べ終わったら、ナイフの刃は内側にしてフォークとともに先を上に向けて皿に並べます。
途中で中座する場合はナプキンを椅子の上に置き、食べ終わったらたたまず軽く丸めてテーブルの右上に置いておくのがマナーです。
世界三大料理|トルコ料理

トルコ料理と聞くと「ケバブ」が真っ先に浮かぶ方が多いかもしれません。
しかし、それ以外に何か思いつきますか?
「トルコアイス」はありますが、料理と言われると違うような気がします。
イタリアンや日本料理(和食)、スペインなどさまざまな世界各国の有名料理の中から、なぜトルコ料理が世界各国料理に選ばれたのでしょうか。
ここではトルコ料理の秘密や魅力を探っていきます。
トルコ料理の歴史と特徴

遥か昔のトルコ人は遊牧生活をしていたため、狩猟による肉中心の食文化でしたが、ウイグル族の定住生活が始まったことをきっかけに農業を行うようになりました。
小麦の生産が進み堅パンなどが作られるようになり、セルジューク朝期にはスープやさまざまな肉料理が、米料理が発展します。
そして14世紀から20世紀頃、料理の黄金時代と呼ばれたオスマン大帝国は、東ヨーロッパや北アフリカなどの広大な領地を支配します。
これによりさまざまな民族が流入し、さらに皇帝が各国の多様な食材や香辛料を取り寄せたことで、オスマン王家の料理人たちは各国の食材とトルコの調理法をかけ合わせ、皇帝のためにさまざまな料理を生み出したといいます。
互いに腕を競い合いながら料理を追求したことで、トルコ料理は目覚ましい発展を遂げ、世界三大料理に選ばれるまでになったのです。
トルコ料理の主な食材と料理

トルコ料理の主食はお米かパンですが、パンの消費量が世界一と言われていることからも、とりわけパンの方が好まれているのでしょう。
食事は海産物や野菜、ナッツ類などで、肉は羊肉が主流で食べられますが、豚肉はイスラム教の歴史から禁忌とされ、牛肉は飼育の困難さから料理に出てくることは少ないようです。
トルコ料理の特徴は、スパイス、ヨーグルト、オリーブオイルをたくさん使うことでしょう。
いずれも食材本来の味を活かすためや臭みを消すために使われますが、クセは少なく味付けはマイルドなため、日本人でも食べやすいものが割とあります。
トルコの代表的な料理は「ピデ」や「キョフテ」です。
ピデは「トルコ風ピザ」とも言い、甘めの生地にひき肉や野菜がたっぷりとのっている料理で、日本で見るケバブのキッチンカーで売られていることがありますよ。
キョフテは、羊肉とヨーグルトソースを使ったトルコ風肉団子です。
家庭料理として出てくることが多く、味付けは300種類以上もあるとされるほど、家庭やお店によって豊富なアレンジをきかせています。
海に近い地域ではシーフードをメインとした料理が多く、サバのサンドウィッチは大人気です。
トルコ料理のマナー

生活様式が洋風化になる以前は、スープやデザート用のスプーンはあったものの、基本的には手を使って食べていました。
しかし、西洋式のテーブルマナーが普及したことで、ナイフやフォークが使われるようになりました。
トルコ料理を食べる際には、特段これと言って気をつけることはなく、ナイフとフォークの使い方は基本的にはフランス料理と同じで問題ありません。
ただ宗教的な観点から、女性の服装はラフな格好や露出の多いものは控えた方が良いでしょう。
まとめ
世界三大料理である、中華料理、フランス料理、トルコ料理についてご紹介しました。
誰が世界三大料理を決めたのかという正確な根拠はありませんが、3カ国とも確かな歴史と味、品質があって選ばれています。
しかし、新たな世界三大料理を決めるという試みもあるので、今後どうなっていくのか楽しみです。
その時には、日本料理(和食)が入ったら嬉しいですね。